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見た映画とか円盤とか、読んだ本とか、聞いた音楽とか。備忘録代わり。

Feb 15, 2016

 

マン・オブ・スティール [Blu-ray]

マン・オブ・スティール [Blu-ray]

 

怒涛の映像化連弾を浴び、うっすらとマーベルキャラクターの関係性が見えてきた今日この頃(とは言い条、積極的に掘り下げてるわけでもないので基本的には無知)。翻ってDCコミックスはというと、クリストファー・ノーランの「ダークナイト」シリーズと地上波版の「グリーン・ホーネット」ぐらいで、そういえば「マン・オブ・スティール」すら見てなかったなと、「バットマンvsスーパーマン」の予告を見て気づいたので、映画館からの帰り、そのままの足で借りに行った。

滅びゆく惑星・クリプトンから最後の希望として送り出された赤ん坊、カル=エル。ケント夫妻に拾われ、クラークと名付けられた彼がどのような子供時代を過ごし、如何にして超人的能力を手なずけスーパーマンになったかをクリストファー・ノーラン的現実志向で丁寧に描写し、クリプトン星の生き残りであり父の仇であるゾッド将軍との因縁の対決をザック・スナイダー流のド迫力映像で描く。
っていう箱型としてはこの上なく理想的なんだけど、どうにもモヤッとするというか、色々と腑に落ちないなーていうのが正直なところ。

ガジェットやイベントが宗教的・神話的色合いを帯びていることを鑑みて、異星人≠スーパーマン≒神様と考えればメガトロン(トランスフォーマー)も真っ青の破壊劇も腑に落ちるというか、人間なんて瑣末なものみたいな扱いにも納得がいくんだけど、そこから地球を救おうという思考に行きつくから訳が分からなくなる。地球外知的生命体として周囲の子供たちに遠ざけられて育って、成長しても疎外感を抱えて放浪していたところに仲間が来れば、むしろ逆の方向に振れてもおかしくないんじゃないかな。
命を救ってもらった大佐はともかく、軍部の人たちが揃ってスーパーマンの味方に回るのもご都合主義だし、マスクなしで暴れ回ったのにお咎めがないのも引っかかるし、愛の芽生えは唐突だし、派手に追跡装置を壊して「追うな」とか言っておいて都会のど真ん中の大手新聞社に就職しちゃうし。アクション疲れの脱力感だけが残って、作品本来の後味を全く感じることができなかった。

それとも今作に欠けていた人間側の視点は端からバットマンに託してて、次作ありきなのか。
予告を見る限りジェシー・アイゼンバーグがまたおもしろい役どころをやってそうなので、とりあえず3月を震えて待つ。