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見た映画とか円盤とか、読んだ本とか、聞いた音楽とか。備忘録代わり。

Feb 18, 2016

 

小さな悪の華 <デジタル・リマスター版> [DVD]

小さな悪の華 <デジタル・リマスター版> [DVD]

 

カトリック系の寄宿舎に通いながら悪に魅せられた少女2人が背信行為を重ね、退廃の道を極めてついには破滅に至る、というおハナシ。
盗み見た秘密を告げ口する、牧童をからかい隙をついて牛を逃がす、飼葉を燃やす、庭師が飼っている鳥を毒殺・絞殺する、教会の備品を盗む、悪魔に魂を捧げるための儀式を行う等々。ひと夏の自由を利用し、悪戯というには度の過ぎたえげつない行為に耽る少女、アンヌとロールの表情は無邪気そのもので、レイプされかけても、溺れかけても、箸が転がったぐらいの軽やかさで笑い飛ばしてしまう様子が、逆にホラーじみて恐ろしかった。
一方で映像はあくまでも美しく、最初は小さな好奇心だったものが制御不能の化け物にまで成長してしまったという暗喩を込めたオープニングとエンディングの対比といった細部の仕掛けも凝っているので、胸糞もののストーリーでも存外するんと見通せた。(体力はめちゃくちゃ持っていかれたけど)

彼女たちが意図的に挑発、或いは無意識のうちに引き寄せてしまった男たちの血走った目を見ていると、「ロリータ」のH.H並びにドロレスが頻りと頭を過った。
少女が女へと成長する時に思いがけなく手にする、顔の美醜や体系の優劣とはまた違う種類の魅力を確信犯で振りかざし、一人、また一人と男たちを悲劇へと追いつめ笑うニンフェットたち。”健全な子供たちの中に紛れ込んだ、命取りの悪魔”。耽美系は苦手とするところなので手放しに好きとは言い難いけど、そういった個人の趣味・趣向を乗り越えて潜り込んでくるものがあって、中々に強烈な体験だった。

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